人形豆知識|雛人形の上手な買い方
端午の節句を祝うに当たって、「内飾り」「外飾り」という言葉を聞いたことはありませんか?五月人形の飾り方を大きく分類し、二通りに分けた呼び方です。
内と外、字面からどんな飾りを指すか大体の想像は付くでしょうが、実はこの二つ、飾りに込める意味がちょっと違うものなんです。
ここでは、「内飾り」と「外飾り」の違いや、それぞれの飾る時期をご説明いたします。
端午の節句 内飾りと外飾りの違い
内飾り
内飾りとは、その名の通り「屋内に飾る飾り」の総称です。武者人形や鎧兜がこれに当たります。
実用としての鎧兜は、戦いから着用者の身や命を守る、とても重要な防具でした。 そこから転じて、病や災厄から男の子を守り無事な成長を祈る為、端午の節句に鎧兜が飾られるようになりました。
外飾り
外飾りとは、内飾りとは反対に、庭やベランダ等の「屋外に飾る飾り」の事です。鯉のぼりがこれに当たります。
中国の故事には、鯉が滝を登り竜になる「鯉の滝登り」の伝説が残されています。この伝説から、男の子の立身出世を願うための鯉のぼりが生まれました。
大きくまとめると、
- 内飾りは「男の子の無事な成長を祈る」
- 外飾りは「男の子の立身出世を祈る」
という事になります。
意味合いが違う事を考えると、両方飾る事ができればベストでしょうが、ご予算や住宅事情等を考えると、現代ではなかなか難しい部分もありますよね。
その土地の風習により、どちらがメインの飾りになるかも異なりますので、それぞれのご家庭で相談して決めるのが良いかと思われます。
五月人形を飾る時期
五月人形を飾る時期は、正式に定められている訳ではありませんが、やはりいつ飾れば良いのか気になるものです。
前述の通り、鯉のぼりのようにベランダや野外等、家の外に飾る「外飾り」に対して、家の中に飾る五月人形は「内飾り」と呼ばれます。
「内飾り」も「外飾り」も、飾る時期は同様で、一般的には春のお彼岸が過ぎた頃を目安に飾り出すとされています。
お彼岸とは、春分・秋分の日を中心に、前後各3日間を加えた7日間の事です。この期間が過ぎたあたりから、「内飾り」を飾り始めます。「外飾り」の場合は、4月上旬頃に飾る方が多いようです。