人形豆知識|人形の保管方法
型崩れなく、いつまでも美しい木目込み人形ですが、正しい保管の知識があれば、さらにいつまでも美しさを保つことができます。飾る時もしまう時も、愛情を持って、やさしくケアしてあげましょう。
(1)湿気から守る
人形にとって第一の大敵は、何といっても湿気です。日本は湿気の多い国でもあり、特に梅雨時には家中がじめじめして、湿度の高い季節になります。人形は極端に湿気を嫌うので、人形をしまう場合には最も気をつけなければなりません。
その湿気をさける方法として、まずしまう場所を選ぶことです。家の中でも棚や押し入れの一番高い所に置いて下さい。
人形を入れておく箱も出来るだけ湿気を通さないような箱がよいのですが、なかなかそのような箱も手近かにないので、箱の中を工夫しましょう。最近ではビニール袋などはどの家庭にもありますのでこれを利用するとよいでしょう。
手や顔の部分を柔らかな紙に入れてしっかりと結んでおけばほぼ完全で、さらに心配な場合には箱の中にクッションとして紙を入れておくとよいでしょう。
(2)虫から守る
人形をビニール袋に入れれば、人形自体はほとんど心配ありませんが、小道具などがある場合には箱に虫が入ることがありますので、防虫剤を入れておいたほうがいいでしょう。
ただし、最近では人形の手や部分にプラスティックなど化学合成品が用いられていることが多いので、防虫剤から出るガスによって化学変化をおこし融けたり、変形することもあります。
防虫剤を利用するときには、人形や付属品に直接あたらないように、防虫剤を紙などにつつんで箱の隅の方に入れておくとよいでしょう。
(3)ほこりから守る
人形をある期間飾って置くと、ガラスケースに入れてあっても、目に見えない相当のほこりが髪や着物についているものです。そのまましまっておくと、衣裳が早くいたむ結果になります。
しまうときには急いで箱にいれてしまいがちですが、しまうときは、天気の良い日に羽根ばたきなどで丹念にほこりをはらい、さらに細かい部分はきれいな筆などでていねいにほこりをはらい落として下さい。
(4)さらに理想的なのは…
一年に一度湿気の少ない時期に箱から出して陰干しをすることです。長い間、箱に入れておくと髪型にくせがついてしまうのでチェックをする意味でも良いことなのです。
木目込み人形は、特に型くずれもしないので手入れを良く保存をすれば、ほとんど作ったときの状態で何年でもその美しさ、可愛らしさを保つことができます。
美しい人形がいつまでもその美しい姿をとどめるように保存に十分気を配りたいものです。